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プリムスの小さい提灯とストーブ
これは日帰りの狩猟等ハッキリ言って行動が分っている時の昼飯用であったり緊急用の明かりだったりである。重要性がないので軽快な方がいいのだ。燃料も合わせて1kgに満たないから気にならない。提灯の下についているタンクは、ガスボンベからちょっとだけガスを分けて入れて使う物で、コレがあるとボンベは一つだけ有れば事足りる。30分以上マトモな明かりがこれでも手に入る。その間に炊事も大方片付くし、便利なのだ。吊しで明かりを使う時も小さいからボンベを使うより容易いことから、必ずペアで使うようにしている。
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ドイツ製ハリケーンランタン
何が良いかと言うと、燃料の持ちが最高に良いのである。明かりは蝋燭数本程度であるが、携行出来る燃料が極端に限られる舟での旅の時は俄然威力を発揮する。燃料の持ちが良いと言う事は発生する熱も少ないと言う事で、狭い所で使う時に安全でもある。ひとタンク250ccで30時間程度照明を得る。特にこのブランドのモノは、風に強い。小さいバッファが一つベースについてるだけなのだが、お陰で50m/secの風の中でも仕事をする。他にも幾つも類似のハリケーンを持っているが、このドイツのがやはり格段に高性能である。銀色の錫メッキは、錆び止めの他に本体で光を反射するので雰囲気的ではあるが明るさが増し、安心感を与えてくれる。音は一切しない。それを狩猟の時の日ノ出待ちの時等は利用したりする。
では何故こういうのをハリケーンランタンというのだろうか。風に強いからではないのだ。構造にその理由がある。グローブとファネルを支えている太いパイプ状の柱に注目して欲しい。これはファネルから、燃焼で発生した熱風を分けてもらう為のものである。コレを伝って熱風が燃料タンクの上のチャンバの中に流れ、芯を被っているバーナー部分の切れ込みに向かって吹き出すのである。コレにより平たく四角い炎を作る事が出来、普通に只燃えているだけでは得られない面積の炎をつくり、それで効率良く、そして煤の少ない燃費の良い燃焼を得て、より多くの明かりを得ようと言うのだ。世界中に同型を作るメーカーはあるが、構造は皆同じである。問題はと言えば携行時は燃料を極力抜いて横転してもこぼれないように心掛ける事であるが、腹持ち優先の場合贅沢抜きで作業をするものだから余り問題にはならない。
これの親分がこちらに!!
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ハリケーンランタンは沢山持っている。舟屋という仕事柄道具でもあるのだ。上の左は日本製、まん中と右は中国製、右のでかいのも日本製。こ〜らいまんを手に出来なかった時代の明かりでもあった。雰囲気とかがいいという意見に非は打たないが、やはり性能で道具を選ぶ必要はある。
もっと小さい灯油ランプがこっちに
揮発油仕様の安全燈もある。
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オプチマス199レンジャー'84y
有名な製品だ。スウェーデンのオプチマスが一頃世界に誇っていた高性能のストーブ。難点は本体が熱くなるのでテントの中ではグランドシートをやっつけない対策が必要。しかし灯油、白ガス赤ガス、アルコールでほぼ同じ熱量を得る所など捨てられない魅力をもち、行き先不詳のときの味方である。蓋が鍋になってくれるように出来ている。風防も可愛いがついていて、これだけで結構用事が足りる。仕舞容積は0.7リッタ程度で嵩ばらずそれなりに使える人には良い品だが、余熱の必要があり、火力はこ〜らいまんのPEAK1に満たない。
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スイス軍用、ボルドといわれるストーブである。白ガス専用である。全長15cm程で、重量は燃料を入れても400g位だ。点火と余熱が素直でないが一旦立ち上がれば小さい乍ら充分な火力が得られる。総ての場合のバックアップとして大抵何処かに入っている。こ〜らいまんとは方向性は異なるが気に入っている。但しこれで総てを賄う程現代人は甘くないと言う事だ。値段は一連のモノの中で最も高価なのではないだろうか。高いとか安いない概念が必要な、かなり通向きの道具である。 |
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こういうのにはどれが元でどれがコピーなんてのはない。燃焼を計算で制御する知識があればほぼ同時期に思い付くのが人間と云うものであるからだ。ちなみにオプチマスの機体とほぼ同じ外観ではあるが、マナスルブランドのほうが仕上げが良かった。流石は日本人である。 |
マナスル121 '57y?
日本でもこんなに出来の良いのがあって、しかも現行で同型を造っている。今やホエブスもオプチマスもなくなり、現在は世界でも、ここ吉川製作所だけがこの型の灯油ストーブをつくっているようだ。ハッキリ云って永遠不滅ではないかと思う程コツコツと、しかし脈々と生産され続けている樣を見て、日本人も捨てたものではないと妙に感心する。設計も構造もこの品と現行品がなんら変わらず、部品を組み違えても問題なく動く。壊れる所は全くと云って良い程ない。私はこの他に同型を2個、オプチマスの00というやはり同型類似品を一つ、マナスル現行モデルの小型版96を二つ持っている。小さくても大きくても余り火力は変わらないので下手に箱型2口をもっていくよりも口数は増えるので手返しが良くなるケースもある。自動車から離れなくても良い場合等がそうである。 |
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この他にも灯油専用の巨大なオプチマス1500ランタンや、軽快な白ガス機オプチマススベアを時と場合により使用している。これらは性能的に安定しておらなんだり得られるエネルギーが小さすぎたり灯油という扱いが厄介な燃料で背負い子巡りの時等手間を喰う等いろいろあるが、どれも非常に良い一面はある。灯油は安価だから金が絡み経費を抑えたい時はそういう性能のを優先して使うし、名機こ〜らいまんのポンプが凍り付いて動かなくなるようなところではそういう機械物のない199やスベアが出番だ。尤もそういうところは日本にはないが、夏でも零下20度からになるところでは考えなければならない性能である。
しかし、そういう所に何時でも出かける訳ではない。要る時に買えば良いのかも知れないが、買い物出不精な私は何でも予め揃ってないと行動計画さえ立たないし、そうなると諸々の弊害が出てくる仕事をしていることもあるし、第一身辺がもの寂しいと詰まらない。
でもやっぱり私ゃこ〜らいまんがお薦めだな。高度4000m以下で、季節が冬でなければ怖いものは何も無くなる位信頼性が高い。総てをしてバックアップに廻してしまう似た様な道具が他にあるかと言われると、やはり軍配は、こ〜らいまんだ。
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