オーボエのFAQ

諸論ありますので当店なりのお話ということで宜しく御参照下さい。

Q:どのような楽器がお薦めですか

Q:長く使いたいので成る可く良いものが欲しいですが


Q:どのような楽器がお薦めですか

A:
 正直申し上げて、管楽器としてはかなり高価な楽器の部類に入りますから、何でも良いから自分が専用で使えるなら何でも良いから手に入れなさいというのが持論です。オーボエは格別出来不出来を支配するとするならリードに止めを刺しますので、自分でリードを何とか出来るようになるのが何より先決なので、どうこうとウヨウヨ迷っている時間自体が勿体無いのです。
演奏そのものはリードが完成してくれば早生はそれなりに利きます。管楽器は専らそういうものですが、リード作りが入口でトオセンボしていますので、それが取り付けられる楽器が安定して手許にない、或いはそもそも持って居ない等基本的に以ての他なのです。

 求めるにあたって、オーボエは価格帯によって装備キイの減量がされる特徴がありますので、何をやりたいのかビジョンを持つことをお薦めします。キイ減量は「クラシック界に向けて」実行されていますので、所謂クラシックの作品をやっていくというのなら、学生モデル的モデファイがされたものでもそれほど厄介なことにはなりません。しかしながら、ありがちな吹奏楽や、ポピュラー音楽ジャンルに於いては「指が回り切らなくなる」可能性が高くなりますので、所謂フル装備に近いキイシステムのものが適しています。
 とはいえ、高い楽器なので手に入れることが何より先決です。指の自由は努力で何とでもなります。上達してくれば、難しいと思ったところだけを30分必死でさらえばいい、という程度ですから、練習する余裕がある状態で演奏するなら、正直言って何でもいいわけです。


Q:長く使いたいので成る可く良いものが欲しいですが

A:
 幾ら値の高いオーボエだからといって、職業的実用寿命はとても短い楽器です。オーボエは、主旋律、所謂曲想の詩の場面ばかりが出番の楽器です。音楽を商品としてみるなら、題目自体が同じであっても音色は流行に左右されますが、オーボエは流行の最先端が何時も要求され得るシーンでしか出番がないので、楽器の機能寿命より先に流行性の寿命が訪れます。ソロ奏者であれば、個人の個性で音作りは出来ますが、合奏となると、雇傭者やプロモーターの音色的オーダーを享けざるを得ません。良いと思って使っている楽器の音が気に入られないこともある訳で、「良いものを一個だけ」とはいかない楽器の定番だと理解して下さい。ある程度はリードと奏法で対応するのですが、楽器という喉が持って居る本来の音色だけはどうにも出来ないものです。

 幾ら良い楽器を買っても、供用初期から実用期に掛けてのスタートアップワーク・アジャストや、実用中のメンテナンス等、結局楽器屋に皆任せているうちは良い楽器にはなり得ません。24個もある孔を各々塞ぐキイは、場所毎に毎日コンディションが変わりますし、コルクや皮も日々様子が変わり、演奏性に影響して来ます。

 メーカーの示す機種中最高位の楽器だとしても、製法が下から上迄皆同じと言う訳ではないので、使用環境に適しているかどうかも関わって来ます。奏者に何処で何をしたいのかというビジョンがない限り、どんな高級機も駄作にされかねないものなのです。

 正直いってオーボエに関しては、全く使えないものは売っていないものです。各々に適したシーンや場所があります。初心者が日々の調整等に不慣れなうちにフル装備の楽器を持つと苦労するだけだったりします。屋外ばかりで使うのに、塗り込みの少ない楽器ではトラブルを呼び寄せているようなものですが、そういう用途に向けての手入れ方法はあります。しかしそれもそういう手入れが出来るようになってからなら役立てられる方法です。

 ただ試奏ばかりしていても、そう容易く楽器のパフォーマンスを見出せるものでもありませんから、ビジョンを持って相談して下さい。そうして繙いて得られた結果が恐らくその時点で一番良いお買い物だと思います。


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