ボートランプの構造は、ランプ(灯体)とケーシング(航海灯としての機能)が別々の構造となっている独特のものです。
取り扱いは、ハリケーンランプと比べると、ワンタッチという訳に行かないものとなり、実用には下準備が必要です。準備は明るいうち、そして海が穏やかなうちに行い、必要な夜間に備えます。
準備を怠るとランプをこわしてしまうことにもなります。そうなると、船上だけに万事窮す。船上は常に戦場でもあります。そういうきわどさも存分に楽しめます。
モデルに使ったランプは既に生産中止となった全周灯です。基本構造は同じです。
先ず、底板留めを外します。これにより、ケーシングからランプを暴露させることが出来ます。
ケーシングは重いので、成るべく低いところで低い姿勢で行います。
ケースは真直ぐ上に引き抜きます。
するとランプが現れます。
この時、グラっとするとホヤが割れたりします。迅速に慎重に行います。
薄暗がりになって来たら、またこの作業をして今度はランプに点灯しなければなりません。その時に慌てないように訓練しておく意味が、この作業にはあります。
ケーシングを取り去ったら、安全な場所に置き、ランプのホヤを外します。
ホヤはベースとなるバーナーヘッドと一緒に外します。バーナーヘッドは左回転で少し廻せばロックラグから外れます。
外したら、ホヤの汚れを拭き取り、拭き布に包んで安全な場所に置きます。転がして割ってしまうと、ボートランプは使えなくなります。暗くなって来たら、再びここ迄行って点灯し、炎を調整して組み上げ使います。
ホヤの手入れが終ったら、ランプバーナーを抜いて、芯がタンクの底迄下がっているか確認します。時として揺れ等でくるくると巻き上がって来ていることがあり、そうなると燃料を充分使い切れない為、航海中にランプが消えていることになり危険だからです。また、空焚きは芯を過剰に消耗します。それらを避ける為と、バーナーはタンクにインローで差込まれているだけなので、油泥でくっついて外せなくなってしまうことを防ぐ為にこの作業は必要です。
バーナーの点検作業を終えたら燃料を補充します。補充口は案外小さいのですが、これは揺動で燃料がジャブジャブこぼれないように考えられた結果です。口にちゃんと合うフィーダーを用意しておきましょう。
この時、水が混じらないようにして下さい。穏やかなうちにやっておくというのは、その為です。
写真ではホヤが裸で立っていますが、これは「禁止条項」です。必ず布で包んで寝かせて下さい。
燃料を入れたら、ケーシングを組み上げ、煙突を調整します。
煙突は、中に可動のスリーブがあります。これは、ホヤの上端と1列に置かれていなければなりません。
点火したらまた確認するのですが、明るいうちに、ちゃんと揃うかどうか見ておきます。
暗くなる前にまた分解して点火します。
このように、芯は極僅か上げて中央より点火します。
芯の天辺の形状は、扇形になるように良く切れるハサミで整形しておかねばなりません。角を残すとそこから角のような炎が出て、煤が出るだけでなくホヤを過熱して割ってしまいます。
これがランプに求められる正しい炎の形です。
この形が得られるように、芯の形状を整え、汚れを取り除いておかねばなりません。
角のような炎が立つと、ホヤの一部を加熱し、その部分からホヤが割れます。
ランプの部品としてのホヤは、安くはありませんし、直ぐ入手出来るものでもありません。少しでも異常があれば、直ぐ消火してやり直して下さい。
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